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「すべてがFになる」書評

今日、「すべてがFになる」のアニメ試写会を見てきました。非常に丁寧に作られていて、
原作の手がかり部分をわかりやすく提示し、演出としても問題なし。
作画も良し。そして一番驚いたのが西之園さんが十分にキャラクターとしてカワイイということ。この辺は描き方もさることながら、CVである桐谷華、もとい種崎敦美さんの技もあると思う。2話までの上映だったが流れとしても丁寧に行っていて、原作ファンは納得の出来ではなかろうか?

それと、木戸衣吹ちゃんかわいい。真賀田四季の格好に扮して真っ白い膝丈ワンピースを着てらっしゃったんだが
もうとにかくカワイイ。髪型もロングが似合っていて最高でした。(レポ漫画でも書けよ!)

で、これを見て昔書いた自分でも頑張った『すべてがFになる』の書評を思い出したのでここにあげておきます。
掲載したのは新月お茶の会の月猫通り2145号 メフィスト賞特集内でした。特集も面白かったのでぜひ。

 メフィストといえば?と問われると、しがない美少女好きでラノベ読みな自分としては「ああ、あの西尾維新の?」と答えるほかない。それほどまでにラノベ界において、その名前が傑出しているというのは確かであり、(私は西尾維新ファンである)そもそもメフィスト自体が、私達にとっては縁遠い世界なのだ。ミステリィ読みがきっと魂を捧げて召喚している悪魔じみた新人賞なんだろう、程度のイメージしか持っていない。だから、今回の特集は「ああ、またミステリィ班がサバトを開き始めたのか」なんて認識であり、この作品の担当が決まった時もさほどの感慨はなかった。全ての読書は経験値だ。サバトに付き合わずとも、その熱気を感じるだけで十分に魔力を得ることはできる。そう、甘く考えていた。
 読み終わって、ただただ西尾維新のファンとして森博嗣という作家に今まで触れてなかったことを後悔した。西尾維新が森博嗣のファンであることはある程度知られた事実ではあるが、まさかここまで彼の原点であったとは想像もしてなかった。『クビキリサイクル』『サイコロジカル』は『すべてがFになる』をオマージュしたものであることは明らかであり、天才園山赤音や兎吊木垓輔はまさに真賀田四季の子どもたちであったのだ。そうか、これがかつて西尾維新の憧れたメフィストだったのか。父や母の田舎を訪れた時のノスタルジィに類似した感情が胸に去来し、今はただその安心感に心任せている。もし、このメフィスト特集がなかったとしたら……新月お茶の会がかくあったこと、企画担当者たる鳴臣がトロイの木馬であったことに感謝するばかりである。
 さて、いつまでも彼のことを語るわけにもいかない。本を語ろう。あらすじから語ろう。
 孤島にこもっている天才工学博士真賀田四季が何者かに殺害された。カメラで監視され誰も入ることのできない密室、出る場所もない部屋から消えた犯人、残された言葉はただひとつ。「すべてがFになる」助教授犀川創平とその教え子西之園萌絵はこの電子的密室を解決できるのか……!
 本格ミステリィに分類される作品として捉えて間違いはないだろう。密室における手がかりは序盤からとにかく丁寧に提示され、(というより、読み直してみるとここまで露骨に提示されていたのかと感嘆した)推理に関しても大きな飛躍なく、前半での絡まった糸が後半にきちんとほぐれて一本につながっていく、ミステリィとしての快感をしっかりと味わうことの出来る作品である。終盤においてすべてがFになるの意味を悟った時は喝采をあげてしまった。
 もちろんその一方で、キャラクタごとの個性はさほど強くなく、登場人物はあくまで”人間”として描かれている。はじめから人間として描かれていない真賀田四季は例外として、西之園萌絵に美少女性なども望むべくもないというのはやや残念なところでもある。ただし、この本が描かれてから18年の経った今となっては彼女のような典型的なお嬢様などという存在の幻想性は十分強化されているのでその辺りに美少女性を見いだせる人間が居るとすれば、それはそれで構わないとは思うけれども。彼女がキャンプに持ってきたアイスクリームはやっぱりハーゲンダッツなんだろうか。閑話休題。
 年月について先ほど触れたが、設定としてのコンピュータ関連の話題は今となってはやや古さを感じてしまうことは否めない。コレは作品のせいではなく、きっとコンピュータというものがあまりにも早く進化してしまっているだけでしか無いのだが。UNIXかー、UNIXかー、とかHDDが1GBの容量とか、telnetとかなんていうんでしょうね。前述したノスタルジィとかはおそらくこの辺りからも来ているのかもしれない。自らは体験していないけれど、その存在は知っている、そんなかすかな過去に触れた感覚……いやどう考えても錯覚なのだが。あのトリックも正直今のパソコンだと起きないだろうしな……携帯電話とインターネットが電話線を切るだけのお気軽な密室をぶっ壊したように、やっぱり情報化社会とミステリィってとことん相性が悪いのでは、と思わずにはいられない。
 また、どうにこうにも話がそれてしまっている。最後の話題で締めくくろう。この作品を最後まで読んだ時に一つだけ残る大きな謎に気づいただろうか。”彼女”はなぜウェディングドレスを着せられていたのか。ウェディングドレスというのは娘がその家をでるときに着せられる衣装であり、純潔を意味するものであることはみなさんご承知だと想う。もし、部屋を初めて出る”彼女”のために用意されたものだとしたら。それが犯人の精一杯のおもいやりであったとしたら……などと益体もないことを考え続けている。そうやって私達に人間らしさを想像させることが、作者なりのキャラクタへのセキュリティだとしたら……はてさて、未だ良い解答は思いつかない。ミステリィ愛好者方々にご教授願えたら幸いである。
 この本に出会えた感謝と、作者への敬意とを4095byteの文字列に込めながら。



解説(反転)→4095は16進数で?

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