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冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた 感想



冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた
丸戸 史明 (著), 深崎 暮人 (イラスト)
富士見ファンタジア文庫

これは俺、安芸倫也が、ひとりの目立たない少女をヒロインにふさわしいキャラとしてプロデュースしつつ、彼女をモデルにしたギャルゲームを製作するまでを描く感動の物がた…「は?なんの取り柄もないくせにいきなりゲーム作ろうとか世間なめてんの?」「俺にはこのたぎる情熱がある!…あ、握り潰すな!せっかく一晩かけて書き上げた企画書なのに」「表紙しかない企画書書くのにどうして一晩かかるのよ」「11時間寝れば必然的に残った時間はわずかに決まってんだろ」「もうどこから突っ込めばいいのよ…このっ、このぉっ!」…ってことで、メインヒロイン育成コメディはじまります。

ラノベにおいてはキャラクターが大事であるとよく言われる。ラノベの定義にもキャラ小説である、ということがある。では、キャラクターにおける必要要件とはなんだろうか? 簡単だ。「属性」に他ならない。しかし、丸戸史明氏が初めてライトノベルに参戦した本作は、その常識をぶち壊した。

この『冴えない彼女の育て方』、基本キャラクターは忠実に属性のセオリーを守っている。オタクだが、人付き合いはよくある種のスペシャリティを備える、今時のクールオタクな主人公。同人絵師で金髪でツンデレなエリリ、作家で切れ者でお姉さまキャラな詩羽といった魅力的なサブヒロイン。しかし、メインヒロインだけが明らかに異常なのだ。このメインヒロイン、加藤恵は相応に女の子らしく、可愛く、主人公にやさしい。だが、ただただそれだけ。恋愛に発展する雰囲気も、ましてや属性なんてものは欠片もない。これではまるで3次元女子のようで、高度にキャラクタライズされたヒロインの中では戦えるものではない。討ち死にだ。

だが、逆に言えばこのヒロインが属性を獲得することによって、我々は真のギャップ萌えを感じることができるのだ。+から+の方向性の変化ではなく、0から+の変化というものがどれほどすごいか、読んでいただければ明瞭である。エロゲというフィールドで数々の属性を形作ってきた氏であるからこそ、生まれたこのヒロイン。あえて言うならば「可愛さ」という属性のみで形作られたヒロインは実に素敵で、素晴らしいものであった。感服。

しかし、中高生がこれを読むとどう思うのであろうか。と言うところに話が飛ぶと、これはまた難しい。なぜならこれは、ある意味でキャラクターではなく人間に恋をしろというメッセージにも解釈ができるのではないかと思うんだな。つまりありふれた人間でも、属性を得ることは見出すことは可能ではないか?ということだ。この本を読んでから、クラスの女の子に目を向けると少し可愛く見える、そんな事が起きるのを期待していたのかなと思うのではあるけれど……え、私?全てを諦観した大学生の目に映るのはもとよりキャラクターのみである。

一言:深崎暮人さんが描くのはキャラクターに過ぎないというのも一理ある。難しい。

☆4つ。

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